マスティフの種類に属するフレンチ・ブルドッグは、ブルドッグと同様、エピロスやローマ帝国のモロシア犬が祖先だといわれています。今ではイギリスの国犬とされるブルドッグですが、12世紀後半から13世紀前半頃のイギリス・ジョン王の時代には、雄牛と闘う闘牛犬として育てられていました。“ブル”は雄牛、それと闘う犬ということで“ブルドッグ”と名前が付いたのです。その頃は闘牛犬としてずっと改良されていたため、性格はかなり獰猛(どうもう)で攻撃的なイヌでした。1815年に法律で闘牛が禁じられたあと人気がなくなった期間が50年ほどありましたが、その間に熱心なブリーダーの手によって体形や獰猛な性格に改良が加えられ、再度人気を得ました。
その頃のイギリスでは、小さなブルドッグは評価されていませんでした。1850年頃、産業革命により機械化が進んだことで多くのレース職人が職を追われ、大挙してフランスに移住しました。そのとき、この評価の低かった小型のブルドッグを一緒に連れて行ったのです。1880年代、パリの下町に住むブリーダーがテリアやパグなどと交配してさらに小型化をはかったと言われています。当時はパリ中央市場の人夫や肉屋、酒屋、御者(ぎょしゃ)などに飼われ、ネズミ駆除犬として活躍していたようです。そのうちユニークな外観がフランス上流社会の貴婦人や芸術家たちの目に留まり、“ブルドッグ・フランセーズ”と呼ばれて急速に人気を得たのです。
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