ブリーダーをやる前、ペットとしてシー・ズーを1匹飼っていたんだ。小さい頃から秋田犬とかいろいろ飼ってたんだけど、自分は東京のマンション住まいだからね。フンとかの始末は自分でやれば解決するけど、鳴き声だけは隣近所に迷惑をかけちゃう。だからあんまり“鳴かないイヌ”ってことでシー・ズーを選んだ。そのあと、腰を壊して2年間くらい入院していた時期があったんだけど、下半身不随になる可能性が半々で、車椅子も覚悟しなければいけない状態でね。その入院している間に「やっぱり自分の一番好きなことを仕事にしよう!」と思って、イヌの仕事をしようと決めた。車椅子でも自分のやりやすい高さに機材を揃えればブリーディングはできると考えたんだ。それで入院中にブリーディングの勉強を始めてね。最初はショーの世界も何も知らなかったんだけどね。
やっぱりシー・ズーを飼っていたことで、ブリーディングもシー・ズーを選んだのでしょうか?
商売として考えたときに「売れ残りがない」「これから伸びる犬種」の2つがポイントになった。素人だったからさ、売れ残るのが一番怖かったんだ。それで、みんなと同じ値段でいいイヌを作れば、絶対売れ残らないと思った。だったらいいイヌを手に入れてブリーディングをしよう、と。そう考えた結果が、その当時(20年くらい前)、一番いいイヌが手に入るアメリカからイヌを買うことだった。それで入院中にいろいろコネクションを使ってイヌの手配をして、退院して動けるようになってからブリーダーを始めたんだ。
現在シー・ズーは人気犬種。その頃から「これから伸びる犬種」であることを予想していたとはさすがです。
その頃シー・ズーはそれほど人気がなくて、シェルティが圧倒的な人気を誇っていた。小型犬はヨークシャー・テリア、ポメラニアン、マルチーズが人気三犬種で、この人気は絶対に揺るがないだろうといわれていた。でも、自分がシー・ズーをペットとして飼っていて、東京のような人口の多い都市ではやっぱりこの静かなイヌは絶対人気が出るだろうと思った。自分が飼っていたイヌは「コイツ鳴けないんじゃないか?」ってくらい全然鳴かなくて、隣の人も飼っているかどうかわからないだろうと思うくらい。イヌ嫌いな人にもしっぽ振るくらい人なつっこいし、シー・ズーは万人に好かれる性格を持っているんだなあと感じてたしね。 |