ペットを連れての海外旅行は決して容易ではない。さまざまな書類手続きや獣医による健康診断、検疫などが求められ、すべてをクリアしないと出入国できない。
中国からサンフランシスコ空港に到着した中国人の乗客はまさにペット入国でつまづいたひとりだ。彼は生後5ヶ月のジャーマンシェパード犬を連れてニューヨークへ行く予定だったが、乗り継ぎのサンフランシスコ国際空港で狂犬病ワクチン書類の不備を指摘されて足止めをくらってしまった。
米国疫病予防管理センター(CDC)の規則では、狂犬病のリスクがあると思われる動物は国に戻ってから、あるいは到着した国で安楽死させなければならない。犬の飼い主は非情にも犬を置いてひとりでニューヨークへ行ってしまった。
その犬の輸送を担当したユナイテッド航空のスタッフはCDCに連絡し、犬を死なせない方法はないかと尋ねたところ、4ヶ月間の隔離を条件に安楽死の猶予を与えられた。
その犬は「ポラリス」と名付けられ、オフィスでおやつをもらって寝た後、ファーストクラスでロサンゼルスにある動物検疫所へ渡った。その頃にはユナイテッド航空のスタッフは皆ポラリスが大好きになり、家族のように大切な存在になっていた。検疫が終わったあともポラリスと関わり続けることを望んだスタッフは、サンフランシスコのSPCA(動物保護施設)にポラリスの里親になりたいと頼んだ。ポラリスの里親希望者は35人いたが、最終的に選ばれたのはユナイテッドのパイロットであるキャプテン・ウィリアムだった。彼は今年家族とサンフランシスコに引っ越したばかりで、ポラリスが安心して暮らせると判断されたようだ。
4ヶ月の検疫を終えて晴れて家族の一員となったポラリスを祝うため、ユナイテッド航空はサンフランシスコ空港で12月15日に里親記念パーティーを開き、5000ドルをSPCAに寄付した。
ユナイテッド航空スタッフの慈悲の心とチームワークのおかげで生き残ることができたポラリス。ユナイテッドのマスコット犬としてサンフランシスコでの新しい生活を思い切り楽しんでほしい。
関連URL: Pilot adopts puppy abandoned by owner at San Francisco airport after documentation issue