
もし、目の前で愛犬が突然倒れ、呼吸をしていなかったら、飼い主にできることはあるだろうか。
今、アメリカでは、そんな万が一に備えてペット向けのCPR(心肺蘇生)や応急処置を学ぶ講習会が広がっている。今回紹介する講習会も、テキサス州フェニックスで開かれているものだ。
講習会を開催する「ハイジズ・ヴィレッジ」のディレクターであるダナ・クローズ氏は、その理由についてこう語った。
「緊急事態がいつ起こるかは分かりません。だからこそ、飼い主の皆さんには、いざというときに適切な対応ができるよう準備してほしいのです」。
もちろん、ペットが倒れたら、まず動物病院や救急動物病院に連絡することが重要だ。CPRは獣医師による治療の代わりではない。それでも、病院へ向かうまでの間に飼い主が適切な応急処置をできれば、愛犬の命を救うための貴重な時間を稼げる可能性がある。
講習会では、人間と動物ではCPRの方法にいくつか違いがあることも説明された。
「H.E.L.P.」のケイト・クラセン氏は、自身のダルメシアン犬「ビショップ」を使い、犬へのCPRを実演した。
まず、犬の反応や呼吸などを確認し、反応がない場合には胸骨圧迫を開始する。肘を固定し、体重を使って胸を押すのがポイントだという。そして胸骨圧迫の合間には、犬の口ではなく鼻に直接息を吹き込む。
「口をしっかり密着させて、鼻に直接息を吹き込みます。ここが人間との大きな違いです」
ただし、首の角度にも注意が必要だ。首を不適切に曲げると、かえって気道を塞いでしまう可能性があるという。
CPRは、知識がなければいざというときに慌ててしまうものだ。しかし、あらかじめ一度でも実際の手順を学んでおけば、突然の事故や体調急変に遭遇したとき、落ち着いて行動できる可能性が高くなる。
愛犬は、言葉で「助けて」と言うことができない。
だからこそ、飼い主が「もしものときの救命知識」を身につけておくことが、大切な家族を守る一つの備えになるだろう。
講習会が提供されていない地域でも、動画で心肺蘇生法を学ぶ、または行きつけの獣医でやり方を教わるなどの方法があるのでぜひ試してみたい。
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