
マスクもマントも身につけていないが、ある家族にとってジョン・デバッカー氏はまさにヒーローだった。
「キャットマン」と書かれたTシャツを着たデバッカー氏が救出したのは、壁のなかに逆さまの状態で5日間も閉じ込められていた猫のローラだ。
ローラの飼い主家族がニューヨーク州フランクリン・スクエアのアパートから引っ越すための作業中、興奮していたローラは床板の下に潜り込んでしまい、家族は救出を試みたものの、行方を見失ってしまった。
そこで家族は、15年以上にわたって猫の救助活動を続けているデバッカー氏に助けを求めた。
まずデバッカー氏は、餌とカメラを仕掛けた罠を設置した。夜になるとローラが姿を見せることは確認できたが、警戒心の強いローラは罠には入ろうとしなかった。
その後、ローラは完全に姿を消した。どうやらアパートの床から落下し、1階の壁の内部に入り込んでしまったようだった。
ようやく居場所を突き止め覗いて見ると、ローラは壁の奥で逆さまの状態になっていた。食べ物も水もない中、断熱材を口にしていたとみられ、かなり衰弱していた。
専門家であるデバッカー氏でさえも、生きたまま救出できるのか不安を感じ始めていた。
しかし、業者の協力を得て壁に穴を開け、内視鏡カメラを入れてローラの様子を確認しながらドリルで少しずつ壁を開けていった。
そして、ついに救出の瞬間が訪れた。
映像には、デバッカー氏が壁の小さな穴から手を伸ばし、ローラの後ろ脚をつかむ様子が映っている。慎重に体を引き、ローラを少しずつ壁の外へと引き出した。
ほこりまみれでつかれきったローラがタオルを敷いたケージに入ると、周囲から喜びの声が上がった。「この世で最高の気分だった」。ローラを救い出した瞬間について、デバッカー氏はそう語った。
5日間、食べ物も水もない壁のなかで生き延びたローラ。しかも逆さまの状態だったことから、デバッカー氏は「本当に奇跡だ」と振り返る。
ローラはその後、緊急動物病院へ運ばれた。体内には断熱材が残っていたという。現在は家族のもとへ戻っているものの、食欲が落ちているため、引き続き獣医師の診察を受けている。
自身も4匹の猫と暮らすデバッカー氏は、今回の経験から、引っ越しをする猫の飼い主に注意を呼びかけている。
「出ていく家の引っ越し作業では、まず最初に安全な場所へ移してください。引っ越しの騒音や人の出入りに驚いて、猫は思わぬ場所に隠れてしまうことがあります」。
ローラが無事に家族と再会できて何よりだが、デバッカー氏への報酬や壁の修理代、ローラの治療費を含めると、引っ越し費用の総額は予想以上に高くついてしまったようだ。
関連URL: 'Catman' to the rescue, as man pulls stuck Long Island pet to safety after long ordeal








