中国の煙台市にある動物園には多くのホワイトタイガーが飼育されているが、その施設内で目にした思いもよらない光景に見物客から大きな悲鳴が上がった。

なんとトラが暮らす施設のなかに1匹のゴールデンレトリバーがおり、トラたちに囲まれているのだ。トラにがぶりと噛まれたら命はない危険な状況に見物客はハラハラしていたが、犬はまるで怯える様子もなく地面に座り、トラたちはその犬にすり寄っているではないか。

実はこのレトリバー犬はトラたちにとって「育ての母」であり、両者は特別な絆で結ばれている。赤ちゃんのときに産みの親に捨てられたトラたちは人間に引き取られ、野生動物保護施設でレトリバーに育ててもらったのだ。
トラたちが大きくなって動物園に住み始めて何年か経ち、レトリバーも今ではかなり年老いた様子だ。動画ではまだ遊び盛りのトラにちょっかいを出されてちょっと鬱陶しそうにしている。
トラと一緒に居させて危険ではないかと心配する声もあるが、動物園の飼育担当者は無理に引き離そうとはしない。母親に捨てられて死ぬ運命だった自分たちを我が子のように育てた犬の深い愛情をトラたちは決して忘れない。

自然界ではこのように違う動物であっても家族として受け入れるケースが多々ある。人間も含めて動物の母性本能は種の垣根を超えて、子どもを守るための力や知恵を生み出すのだと教えてくれる。

関連URL: Labrador retriever is surrounded by her "tiger children" for petting, play and fun