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飼えなくなって池に放たれた金魚が「猛獣」に

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金魚は、教室や家庭の水槽、裏庭の池など、私たちの身近な場所で飼われている。世話がしやすいペットとして親しまれ、子ども時代の思い出として記憶している人も多いだろう。

しかし、新たな研究から、金魚が湖や池に放流されると、想像以上に大きな環境被害を引き起こす可能性が明らかになった。場合によっては、生態系をもとの状態に戻すことがむずかしくなるという。

ほとんどの金魚は水槽の中で小さく、人なつっこい魚として暮らしている。ところが、逃げ出したり、人の手で自然に放されたりすると状況は一変する。
研究者のリック・レイレア教授は、「金魚が野生に放たれると、急速に大きな魚へと成長し、湖底の堆積物を攪拌し、大量の獲物を捕食し、在来魚と競合するようになる」と説明している。

研究チームは、その影響を調べるため、栄養分の多い水域と少ない水域を再現した人工湖を作り、金魚を入れて長期間観察した。
すると、金魚が湖底をかき回すことで水がにごり、浮遊する粒子が増加した。さらに、小型の無脊椎動物やカタツムリ、アミ、動物プランクトンなどの数が大幅に減少した。

金魚はこれらの生物を食べるだけでなく、生息場所そのものにも影響を与える。その結果、在来魚は餌や生息空間を奪われ、健康状態の悪化が見られた。研究者は、こうした変化が在来魚の個体数減少につながる可能性を指摘している。

こうした変化は急速に進む一方、一度崩れた生態系をもとに戻すには多大な時間と費用が必要になる場合がある。
研究チームの筆頭著者ウィリアム・ヒンツ氏は、「ペットが淡水生態系に害を及ぼすリスクが大きいことを、一般の人々に知らせることが極めて重要だ」と警告している。

研究チームは、金魚を重要な「侵略的外来種」として扱い、放流を防ぐための啓発や早期対策を進める必要があると提言している。
家で飼えなくなった金魚を「自然に返してあげよう」と思う人もいるかもしれない。しかし、身近なペットを自然に放すことが、思わぬかたちで生態系を変えてしまう可能性がある。金魚を最後まで責任を持って飼育することが、環境を守ることにもつながるのである。

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