
グランドキャニオンに似た壮大な渓谷で多くの訪問客を魅了するユタ州のブライスキャニオン国立公園で、2人が命を落とす痛ましい事故が起こった。
事故に遭ったのは、45歳のマシュー・ナンネンさんと58歳のベイリー・クレーンさん夫妻で、4月29日にキャニオンの写真撮影スポットの安全柵を越えて、115メートル下に転落したという。2人がなぜ転落したのかについての詳細は今のところ不明であるが、翌日救助隊が駆けつけた際、死亡していた2人のそばには1匹の猫がいた。
その猫は夫妻の飼い猫で、猫用の布製キャリアに入っていた。夫妻と一緒に落下したとみられ、救助隊はすぐに猫をキャニオン近くの動物保護施設に搬送した。
ミラージュという名前の夫妻の猫はケガをしている様子だったので、診療所に移送され、検査が行われた。一部の毛がもげ、肋骨を骨折していたものの、血液検査では異常なく、自分で飲んだり食べたりできる状態だという。
ミラージュは12歳で、おそらく長い年月を夫妻とともに歩んできたのだろう。一瞬にして飼い主がいなくなり、見知らぬ場所で体の痛みに耐えるという苦境にありながらも、ミラージュは獣医師やスタッフにフレンドリーな様子を見せている。
「400フィートの高さから落下したにもかかわらず、驚くことに、この小さな猫はその優しい心を失うことはありませんでした。まるで何事もなかったかのように鳴き、私たちを信頼しています」と、保護団体のチーフはメディアに話した。
奇跡的に生還したミラージュの体の傷が癒えたら、もう一度新しい飼い主のもとで生活を始めるチャンスがあるのだろうか。詳細はわからないが、元気になってまた幸せな暮らしを手に入れてほしいものだ。
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