
好奇心のままに気になるものを口に咥えてしまうのが犬の本能だが、彼らは「誤飲」という危険と常にとなりあわせであることを忘れてはいけない。
つい最近もイギリスのアバディーンシャーで、犬が誤ってボールを飲み込み、呼吸困難で危うく命を落とすところだった。
3歳のドーベルマン、ロッコは、今の飼い主家族に引き取られる前からお気に入りにしている紫色のボールがあった。どんなときもそのボールを持ち歩いており、扱いに慣れていたので飼い主も心配していなかった。
しかし、もう1匹の犬と庭で遊んでいたとき、2匹は互いに正面からぶつかり、その際にロッコが咥えていたボールが彼の喉に押し込まれてしまった。
飼い主がロッコの首に手をやると、ボールの膨らみが感じられた。ボールは胃に入る前に喉の器官に詰まった状態だったのだ。
「私は早く助けが必要だと思い、すぐさまロッコを車に乗せました。獣医まではほんの数マイルだったけど、そこに着く頃にはすでにロッコは半分意識を失っていたの」と話す飼い主。
運ばれたロコをみた獣医は緊急事態だと察知し、すぐにロコに鎮静剤を投与し、上向きの圧力をかけることでボールを喉の手前側に押し込んだ。無駄のない適切な処置とチームワークのおかげで、数分足らずでボールを取り除くことができた。
ロッコはすぐに意識を取り戻し、酸素吸入をした後、その日のうちに家に帰ることができた。
事故以来、ロッコのお気に入りのボールはお蔵入りとなったが、誤飲の心配のない3倍の大きさのボールを与えられてロッコは満足しているようだ。
ロッコのような悲劇はどんな犬にも起こり得る。飲み込んで窒息させる可能性のある小さなボールやおもちゃには十分注意する必要があるし、仮に飲み込んだ場合、飼い主自身で取り除こうとせず、すぐに獣医に連れていくことが大事だ。近くに獣医がいない場合、電話をかけて応急処置の方法を教えてもらうなど、専門家の助けをもらうことで大切なペットの命を守ることができる。
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