
イギリスで、犬の飼い主が道路脇に伸びた雑草のせいで愛犬を獣医に連れて行く事態になり、300ポンド(約4万5千円)の負担を強いられたと訴えている。
飼い主のリチャード・フリードマンさんによると、散歩中に生い茂った草の種子が愛犬のチェスターの耳に詰まり、緊急治療が必要になったという。鎮静剤を投与し、手術で耳から4つの小さな種が除去された。
フリードマンさんは、ほかにも3人の飼い主が、飼い犬が雑草のせいで耳や目、足に同様の痛みを伴う負傷を負ったと主張している。
それに対し、彼が住む区の議会は「区内全域で草刈りと雑草除去を行うプログラムを実施中」と述べた。
「生物多様性を高めるため、一部の区域は長く放置されていますが、すべての人が安全に楽しめる環境を確保するため、飼い主の皆様と協力してまいります」と続けた。
しかしフリードマンさんは、「飼い主は特定のルートを完全に避けるようになっており、夏になってさらに草が種をつけるにつれ、問題は悪化する一方です。自治体には、ペットを含むすべての住民のために道路を安全に維持する責任があります」と不満を漏らす。
英国獣医師協会会長のエリザベス・マリノー氏は、「草の種子、すなわち芒(ぼう)は、特定の草や穀物作物の鋭い部分であり、犬の皮膚を貫通したり体腔内に侵入したりすることがあります。異物として作用し、組織損傷や感染症を引き起こします」とその危険性を指摘する。
「散歩では熟した背の高い草や穀物畑を犬に歩かせたり走らせたりすることを避け、散歩後は足裏、耳、被毛をチェックして刺さった芒をすぐに取り除いてください。ペットの指の間に腫れが見られる場合や、激しく頭を振る場合は獣医師の診察を受けるべきです」とアドバイスしている。
たかが雑草といえど、種類によっては愛犬にとって脅威となってしまう。ペットを含むすべての住民が安心して暮らせるよう、区議会はすぐに対策をとらないと評判を落としてしまうだろう。