
イギリスのハートフォードシャー州在住のディタ・モーガンさん(74歳)は大のカメ好きで、自宅敷地内の小屋で20匹の陸ガメを飼っていた。
しかし9月頭のある朝、小屋を開けてみるとなかは空っぽに。盗まれたカメの中には、120歳を超える長寿のカメや、ヘルマンズリクガメ、トゲリクガメ、レオパードリクガメなどの珍しい種も含まれており、金銭目的で盗まれたと彼女は考えている。
「まるで内臓をえぐられたような気持ちだ」と話すモーガンさん。子どもの頃からカメと育ったモーガンさんは、1982年に結婚して自宅をかまえてからまたカメを飼い始め、孵化させながら少しずつ増やしてきた。
「カメたちは私の人生の大きな一部です。私の子供たちもみんなカメとともに育ちました。カメが長年住んだ我が家から連れ去られ、適切に世話されないという事実に、何よりも胸が痛みます」と彼女は涙ぐんだ。
「戻ってくる可能性はあまり期待していません。ただ、ちゃんと世話されているかどうかを知りたいだけ…。それが一番つらいことです」と彼女は悲しそうに話す。
モーガンさんは38年間住んでいるが、カメが盗まれたことは一度もなかったそうだ。警察に被害届を出したものの、犯人特定につながる有力な情報はまだ見つかっていない。
長生きするカメたちは、世代を超えてモーガンさんの家族だけでなく、地域の人々にとってもすばらしい影響を与えてきた。
モーガンさんの息子さんはよく家に友達を連れてきては、カメたちと一緒に遊んだ。そんな子どもたちをモーガンさんは温かく迎え入れ、カメの生態や性格など、さまざまなことをカメとの触れあいを通して教えてきた。
だからこそ、今回の盗難はモーガンさん自身だけでなく、地域にとっても大きなダメージで、多くの人々が無事にカメが戻ってくることを祈っている。