
イギリスのある動物病院のスタッフが、入口の外に置かれた長方形の真っ黒の箱を見つけたとき、なかに何が入っているのか見当もつかなかった。
その箱はビニールで包まれ、ガムテープで固定されており、上部に数か所穴が開けられているだけだった。
ただその箱にはメモが添えられていた。「猫と子猫3匹、脇道で発見」と書かれ、電話番号も走り書きされていた。
スタッフが箱を開けて中をのぞいてみると、そのメモの内容とは違っていた。なかには猫1匹と子猫3匹ではなく、3匹の妊娠中の成猫がぎゅうぎゅうに詰め込まれていたのだ。
猫たちがどれくらいの間閉じ込められていたのかはわからないが、救助隊員たちは一晩中そこに放置されていたのではないかと推測している。スタッフがメモに書かれていた番号に電話をかけてみたが通じなかった。
猫の救助活動に携わる団体の一つ、「ヨークシャー・キャット・レスキュー」のサラ・エイヴィソン氏は、猫たちがどんな目に遭ったのかを想像するだけでぞっとすると語った。
「ほぼ密封された箱に押し込められるなんて、妊娠していなくても恐ろしいこと。3匹の猫たちにとっては、本当に辛い経験だったに違いありません」。
ヨークシャー・キャット・レスキューは、そのうちの2匹(チャーリーとチェリー)を引き取り、もう1匹は別の保護団体が引き受けることになった。
そして保護施設に到着して間もなく、2匹の母猫は子猫を出産した。
チャーリーは4匹の子猫を、チェリーもその後、2匹の子猫を無事に産むことができた。
一気に大所帯となったが、猫たちは驚くほど元気で、猫たちと子猫たちが里親に引き取られる準備が整うまで施設で過ごすことになる。
「チェリーは少し控えめな性格で、明らかに大変な経験をしてきたようですが、新しい環境にすっかり馴染んでいて、食欲も旺盛です。健康面での心配は一切ありません。みんな本当に愛らしい子たちです」。
善意に見せかけた人間の無責任が招いた今回の救出に、「感情的になることもあったが、やりがいのある経験だった。人間がみんな猫を箱に押し込むわけではないということを、猫たちに示せてよかった」と話すエイヴィソン氏。
人間と同じように猫もトラウマや不信感、恐怖を抱えながら、必死で生きているのだ。いろんな人がいるが、困った動物たちに手を差し伸べる側の人間が増えてほしいと願う。
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