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国内にわずか200頭。パンダの頭数より少ない中国の盲導犬

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中国に住むヤンさんは11歳の時に目の癌で視力を失った。しかし彼は自分自身は盲目の人の中でも数少ない幸運な人だと思っている。

彼のそばには2匹の盲導犬が寄り添っているが、それはとても珍しい光景である。というのも中国では全盲の人は800万人以上いるにも関わらず盲導犬が普及しておらず、国内にわずか200頭しかいない。ジャイアントパンダよりもずっと希少な存在なのだ。

目の見えない人にとって中国の街中を歩くのは非常に危険。舗装されてない道も多く、おびただしい数の車やバイク、自転車を避けながら横断歩道を渡るのは命がけである。マンホールが盗まれて蓋のされてない穴に落ちて怪我をしたり死亡する事故も後をたたない。
調査によると、全盲者うちの30%は1人では一切外に出歩かず、そのほかの人は必ず付き添いの人と共に外出しているようだ。

ヤンさんが盲導犬を知ったきっかけは、2008年の北京パラリンピックだ。中国で初めてパラリンピック金メダルを獲得したピン・ヤリ氏が、開催式で彼の盲導犬と参加しているのをテレビで目にした。
それから3年間、国内の盲導犬について調べて何度も電話をした末、ついに盲導犬取得の応募の方法が分かった。応募先は中国で2006年に初めて設立された盲導犬訓練所である「大連中国盲導犬訓練センター」だった。
ヤンさんは幸運なことに選考に選ばれ、今では2匹のレトリバーとともに外出したり、1人では困難だった長時間で乗り換えの必要な電車通勤もできるようになった。

80年以上にわたって盲導犬を育成しているヨーロッパやアメリカに比べ、中国はまだまだ発展途上である。盲導犬普及に必要な補助金も全然足りておらず、財政的な理由で頭数を一気に増やすことが難しいようだ。

また、一般の人々の盲導犬に対する知識や重要性の認識も低いため、公共の場や乗り物での盲導犬の付き添いが認められないケースが多々ある。
ヤンさんもバスの運転手やホテル、レストランなどで盲導犬を連れることを断られた経験が何度かある。しかし彼は落ち込まず、断られるたびに「また1人盲導犬について知ってもらうチャンスを得た」とポジティブに捉えている。

ヤンさんのような人が盲導犬の大切さを国内外で啓蒙し、より多くの中国人の意識が変わっていけば政府を動かす力に変わっていくだろう。20年、30年後には中国の街で当たり前のように盲導犬を見かける日が来るかもしれない。

関連URL: China has 8 million blind people, but only 200 guide dogs

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