
犬好きには信じられないが、イランでは犬の散歩が禁止されている。イラン当局は、公衆衛生、社会秩序、安全への懸念を理由に、公共の場での犬の散歩禁止令を出し、テヘランや中央部のイスファハンや南部のケルマーンなど、国内の17以上の都市に拡大しているようだ。
イランでは1979年のイスラム革命以来、犬の飼育と散歩が論争の的となっているが、犬の飼育を全面的に禁止する法律はない。
しかし、多くの宗教学者は、犬を撫でたり、唾液に触れたりすることをナジス、つまり儀礼的に不浄な行為とみなしており、一部の政府関係者は、ペットの犬を西洋文化の影響の象徴とみなしている。
そのため地方当局はこれまでに、公共スペースでの犬の散歩や車への同乗を定期的に禁止してきたが、テヘランをはじめとするイラン全土で多くの飼い主が犬の散歩を続けているため、規制の実施には一貫性がなかった。
今回の禁止令で、改革派のエテマド紙はイラム市の当局者の言葉を引用し、「違反者には法的措置がとられる」と述べた。国営イラン新聞は、今回の措置は「公の秩序を維持し、安全を確保し、公衆衛生を守る」ことを目的としていると伝えているが、忘れてはいけないのが、欧米文化がもたらす影響だ。
2021年には、75人の議員がペットの飼育を「破壊的な社会問題」と非難し、「イランとイスラムの生活様式を徐々に変えていく」危険性があると述べた。
ペットを飼うこと、とりわけ犬を飼って公共の場で目に触れされることは、イランの若者たちにとって政府への小さな抵抗の形になってきていると、インドメディアのファーストポストは分析している。
日常生活を統制しようとする国家に対して静かに抵抗する若者と、彼らを法によって抑えつけようとする政府。両者の溝はこれからさらに深まっていくだろう。
関連URL: Iran extends ban on dog-walking for ‘public order, safety and health’