
老犬に新しい芸を教えることはできないかもしれないが、どうやらオーストラリアの都市部で生息する「サルファークレスト・オカメインコ」は、歳をとっても新しい技を次々と覚えているようだ。
オーストラリアを拠点とするこの大型インコは、ゴミ箱の開け方だけでなく、水飲み場での飲み方も学んだという新しい研究結果が発表された。
人間がやることを同じようにできる動物はあまりいないが、彼らは人間の行動をみて学習し、試行を繰り返してできるようになったのだろう。
賢い鳥といえばカラスもそうだ。彼らは幾何学ができるほど頭脳明晰で、人間が知らないことを見分けることさえできるようだ。
「Biology Letters」誌に掲載された研究結果によれば、サルファークレスト・オカメインコは、公共の水飲み場を起動させる方法を自ら学んだことで、周囲に水源がない場合でも、噴水から水を飲むことができるようになった。特に夏場は暑く乾燥するため、彼らが生き延びるために身につけたサバイバルスキルと言っても過言ではない。
さらに研究者たちは、このスキルがオーストラリアのシドニーから広まっていることにも注目している。つまり、水飲み場の使い方を覚えた鳥たちが、ほかの仲間たちに伝授しているのだ。
こうした行動は海の動物にもみられ、2023年にはシャチが漁船を攻撃するためにほかのシャチに攻撃のしかたを教え、協調し合う様子が発見されている。
しかし、このインコの動向で特に興味深いことのひとつは、鳥たちがいつも水飲み場の起動に成功しているわけではないようだということだ。ある場所を調べたところ、多くの噴水部分に噛んだ跡があり、その場所にはもっと簡単に水を飲める場所があったと研究者はCNNに語っている。
必ずしも水飲み場を使う必要がないのに、なぜ鳥たちが目を向けるようになったのか、その理由ははっきりしない。仲間に教わったスキルを試してみたかったのか、あるいは噴水の水が好きなのか、その方が安全だと思っているのか。この状況を確かめるため、さらなる調査が続けられるようだ。